芦川聡「STILL WAY」

芦川聡

無音であることは静寂であることではありません。ジョン・ケージの「4分33秒」がもたらしたもの、というよりも、気づかせたものは「世界は音で満ちている」という事実でした。
それでは静寂を描き出すのはどんな音なのか―武満徹の著書に倣って言えば「沈黙と測りあう」音楽とはどういうものなのでしょうか。
難しいことを考えなくても、ここに芦川聡が残した作品があります。ピアノ、ハープ。ヴィブラフォン、フルートといったわずかな楽器で描かれた透明な世界。30歳で夭折したこの作曲家の作品を収録したこのアルバムは、どうやら板起こしらしく、ノイズがときおり目立つ箇所もあります。それでもこの音楽を聴くと、私たちは無音より静寂な音楽があることを知ることができるでしょう。


芦川聡の年表や、この作品の詳細については下記のURLを参照してください。


http://boid.pobox.ne.jp/crescent/cres/ashikawa.htm