細野晴臣『メディスン・コンピレーション』
- アーティスト: 細野晴臣
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1993/03/21
- メディア: CD
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前作『オムニ・サイトシーイング』は乾いた音像が特徴でしたが、こちらはうって替わって沈み込むような深い音像に。『ハニー・ムーン』の再演(矢野顕子のスキャットが素敵)や、『マブイ・ダンス#2』といった過去とのつながりを感じさせる曲もありますが、ブライアン・イーノのアンビエント・レーベルから作品を発表したこともあるツィター奏者、ララージが参加していることに象徴されるように、全体的にはアンビエント・ハウスの細野的展開といった趣です。 ただし、そんな中にニューオリンズ・ファンクの「アイウォイワイアオウ」がしのばせてあったりして、決して一面的な展開にならないところが“コンピレーション”たる由縁でしょうか。なのでこのアルバムをひと言で表現するとなると、“アンビエント”といった既成の用語よりも、細野自身がかつて責任編集を務めていた雑誌*1「H2」の中で提唱していた“クワイエット・ヒップ”という言葉の方がふさわしい。この言葉、細野が生み出した数あるキャッチ・コピーやネーミングの中でも一、二を争う優れた出来だと思うのですが、いかがでしょうか?
*1:創刊準備号だけで終わっちゃいましたけど・・・