横尾忠則&細野晴臣『コチンの月』

COCHIN MOON (コチンの月)

COCHIN MOON (コチンの月)

STUDIO VOICE誌の細野特集号を読んでいて聴き返したくなった一枚。時代的には『はらいそ』とYMOの1stをつなぐ位置にある作品ですが、単なるエキゾティズムとシンセサイザーの融合にとどまらず、執拗に反復されるミニマル・シーケンスとアンビエントな音像がもたらす強烈なトリップ感覚は、初期YMOを飛び越えて、いきなり『テクノデリック』やモナド観光音楽シリーズに直結しているといってもおかしくない先鋭的なものです。もちろんクラフトワークマニュエル・ゲッチングクラスター等のジャーマン・プログレの細野流解釈と考えることも可能。