菅野よう子『ウルフズ・レインO.S.T』

WOLF'S RAIN O.S.T

WOLF'S RAIN O.S.T

菅野よう子がブラジル音楽に挑んだ、と聞いてプレーヤーにかけたら、いきなりニューヨーク・ドールズのギタリスト、スティーヴ・コンテのシャウトで始まるハード・ポップな「stray」が流れてきて驚きました(^^;)。考えてみたらこの人がひとつのジャンルだけでアルバム1枚つくるわけないよなあ。ましてサントラだし。
とはいえブラジル・セッションの曲は全21曲中6曲と大きな位置を占めています。やはり聴きものはジョイスがリード・ヴォーカルをとっている3曲で、そのまま彼女のオリジナル・アルバムに入っていてもおかしくない出来栄えなのには舌を巻くばかり。その他の曲もしっとりとした曲が多くて、全体的にはソフトな印象を与えるのですが、そこにピリッとスパイス的な役目を果たしているのがスティーヴ・コンテのヴォーカル曲。先の「stray」もさることながら、彼自ら奏でるアコギの鋭角的な響きが耳に残る「could you bite in the hand?」がカッコいい仕上がり。坂本真綾ファンにとっては「gravity」が収録されているのもうれしいと、いつもながら至れり尽くせりのサウンド万華鏡なのでした。

Coracao Selvagem

ジョイスのヴォーカルです。

Could You Bite the Hand?

こちらはスティーヴ・コンテの歌。