ロキシー・ミュージック「ライヴ・アット・アポロ2001」
- アーティスト: ロキシー・ミュージック
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/02/08
- メディア: DVD
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とはいえ、このときの再結成にはブライアン・フェリー、フィル・マンザネラ、アンディ・マッケイに加えオリジナル・メンバーだったドラマーのポール・トンプソンが復帰。選曲もやや初期〜中期寄りのベスト的なラインアップという申し分の無いもの。ステージは派手な演出こそありませんが、時折ダンサーも登場してきて華を添えます。あくまでファンを裏切らない、「あなたのお望みのロキシーをたっぷり見せてあげましょう」的な良い意味でサービス精神旺盛なステージで何よりフェリーが乗っているのがはっきりわかる。特にこのDVDに収録されたのは、彼等のキャリアの出発点であるロンドンで行われた凱旋公演。新たな曲のイントロが流れる度にファンが大きくどよめている様子が伝わってきて、見ているうちに私も自然と興奮してきました。
演奏面ではオリジナル・メンバーもさることながらゲスト・プレイヤーの活躍が注目に値します。曲にあわせて多彩な技を披露するギターのクリス・スペディングや、いかにもロキシーにふさわしいクール・ビューティーな女流パーカッショニスト、ジュリア・ソーントンも見ていて楽しいのですが、敢闘賞ものの働きをみせてくれたのがルーシー・ウィルキンスです。「リ・メイク/リ・モデル」や「エディションズ・オブ・ユー」ではシンセの前に陣取り、つまみをあれこれ回して、電子音のノイズをぶりぶりと発振。一転「アウト・オブ・ザ・ブルー」や「タラ」ではエキセントリックなヴァイオリン・ソロを披露。そう、彼女はひとりでかつてロキシーに在籍していた“飛び道具”ブライアン・イーノとエディ・ジョブソンの役回りをこなしているのです。手が空いているときはやけに派手なアクションで客席を煽っているし、正に八面六臂の大活躍。途中からは彼女の一挙手一動足にすっかり注目しっぱなしでしたよ。
このステージ、あまりロキシーに関心が無い人から見れば「同窓会」的なものに映るかも知れませんが、ファンにはうれしいものでしょう。もちろん私はたっぷりと楽しめました。代表曲が網羅されているのでロキシー入門篇としても良いかもしれません。新作が出るまでしばらくはこれを味わいつくそうと思っています。ボーナス映像として記者会見の様子やリハーサル、インタビューを収録。フィル・マンザネラとアンディ・マッケイの話が思いの外多かったのがうれしかったです。
(追記)あれれ、どうも雲行きが怪しいぞ・・・・
http://www.barks.jp/news/?id=1000021404&m=all
ブライアン・イーノを含むオリジナル・メンバーでニュー・アルバムを制作中とのニュースが流れたばかりのロキシー・ミュージックだが、イーノがこの報道を否定しているようだ。33年ぶりにオリジナル・メンバーでの再結成が期待されたが、どうやら「ジャーナリストの希望的観測」に過ぎないようだ。
これはまたルーシーに活躍してもらわねばいけないかもしれませんね。