ロリ・カーソン「ホエア・イット・ゴーズ」

Where It Goes

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ロリ・カーソンは1990年にデビュー。1stアルバム「シェルター」はハル・ウイルナーがプロデュースしたものの、あまり話題にならずじまいでした。彼女が注目を集めたのは1993年、アントン・フィアのユニット、ゴールデン・パロミノスへヴォーカルとして起用されたのがきっかけです。ゴールデン・パロミノス「ディス・イズ・ハウ・イット・フィールズ」「ピュア」の2枚にメイン・リード・ヴォーカルとして可憐な歌声を聴かせてくれました。そのアントン・フィアのプロデュースで1995年にリリースされた2ndソロ・アルバムが本作。必要最小限のバッキングで彼女のヴォーカルをひきたたせた、優れたSSWのアルバムです。カーソンの声は線が細く、はかなげで、穏やかな曲調のときでも底には不安や孤独感が流れていることを感じさせずにはいられないものとなっています。派手さはないけれど、聴いているといつのまにか情感が高ぶってくる独特の雰囲気が魅力の一枚。