将棋本オールタイムベストテン

id:doublecrownさんの所で実施されている企画「将棋本オールタイムベストテン」に参加してみたいと思います。
下手の横好きが選ぶので定跡本より読み物系が中心です。

1)勝又清和「最新戦法の話」

現在のプロの将棋を観戦する最良の手引き書でしょう。

最新戦法の話 (最強将棋21)

最新戦法の話 (最強将棋21)

2)森けい二「寄せが見える本(基礎編)」

ほれぼれするような名講義。

寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))

寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))

3)日本将棋用語事典

無味乾燥な用語解説ではなく「読んで楽しめる」ことを念頭につくられた事典。特に中原十六世名人、米長永世棋聖、羽生二冠、森内名人、佐藤二冠、島八段といった層々たる顔ぶれへのインタビューコラム欄「名棋士の談話室」が面白い。中でも羽生二冠へのインタビューは「上達するヒント」コンパクト版といってもいい内容。

日本将棋用語事典

日本将棋用語事典

4)保坂和志「羽生―最善手を見つけ出す思考法」

羽生善治を通して人間の思考とは何かを追及する名著。

羽生―「最善手」を見つけ出す思考法 (知恵の森文庫)

羽生―「最善手」を見つけ出す思考法 (知恵の森文庫)

5)羽生善治吉増剛造「盤上の海、詩の宇宙」

駒を操る天才と言葉を操る天才による柔軟で美しい対談。

盤上の海、詩の宇宙

盤上の海、詩の宇宙

6)湯川博士「秘伝 将棋無双

詰将棋の大古典「将棋無双」の世界への誘い。5手詰がやっとの私でもなんとかついていけるように書かれているのが素晴らしい。

秘伝 将棋無双―詰将棋の聖典「詰むや詰まざるや」に挑戦!

秘伝 将棋無双―詰将棋の聖典「詰むや詰まざるや」に挑戦!

7)河口俊彦大山康晴の晩節」

不世出の大巨人、大山康晴を描いた本。題名に「晩年」ではなくて「晩節」という含みのある言葉を選んでいるのがうまいですね。

大山康晴の晩節 (新潮文庫)

大山康晴の晩節 (新潮文庫)

8)升田幸三「名人に香車を引いた男―升田幸三自伝」

大山が出れば升田を出さないわけにはいかないでしょう。文句なしに面白い自伝です。

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)

9)「棋翁戦てんまつ記」

ミステリー、エンターテイメント界の売れっ子作家達による私的リーグ戦のてんまつ。盤上の技術はともかく(笑)、時に侍ことばもを駆使する観戦記、抱腹絶倒の脚注、芝居っ気たっぷりの挑戦状のやりとりなど、将棋にくわしくない読者でも充分楽しめる読み物となっているのはさすがの一言。

10)柴田ヨクサルハチワンダイバー

私の将棋熱を再燃させた運命の書(笑)。

ハチワンダイバー 5 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 5 (ヤングジャンプコミックス)

次点は渡辺竜王「頭脳勝負」、先崎学「一葉の写真」。いつか堂々と「これが一位です!」と言うことのできる棋力になりたいなあと思っているのは「羽生vs佐藤全局集」ですが、後何年かかることやら(笑)。