XTC「スカイラーキング」(ASIN:B00005ATHO)

skylarking

このアルバムを語るとき、枕詞のように語られる確執の物語はとりあえず横に置いておきましょう。XTCのアルバムの中でも小ぢんまりとした作品ではあるけれど、虫の音に誘われてその世界をのぞいてみたら、やわらかい陽射しの下、初夏の香りがたちこめ、秘密の草むらで恋人たちは愛をつむぎあう。雨が降れば1000本のアンブレラの花が咲き誇り、弾かれた雨はバレエを踊る。めぐりめぐる季節の車輪。衛星をめぐり歩き、心の旅をしてきた男でも、スーパーガールと生きていくためにはやっぱり稼ぎが必要。だけど、人魚が微笑めばきっとハレの日がやってくるさ。やがて闇が辺りを覆い、生贄を焼く炎だけが残る。満足ですか、親愛なる神様。