MJQのリーダー、
ジョン・ルイスのソロ・アルバムです。参加メンバーに
エリック・ドルフィーやガンサー・シュラーといった名前があり、聴く前は「サード・ストリーム」系の、クラシックとジャズを融合させた実験的な作品かと思っていたのですが、1曲目「身も心も」で聴かれるポール・ゴンザルヴェスのまろやかなテナー・ソロを耳にしてすっかり和んでしまいました。実験性こそ薄いものの、
ジョン・ルイスのもうひとつの特長である端正な側面が前面に出たアルバムで、先のポール・ゴンザルヴェスをはじめ、
ジム・ホール、
ベニー・ゴルソンといったそうそうたるメンバーがそれぞれ優雅な演奏を聴かせてくれます。もちろんルイスのピアノも実に典雅で、積極的にソロをとることは少ないものの、楽曲に彼らしい抒情を加えています。ただ、これだけだとちょっと刺激が少なすぎるな・・・と思ったところで登場する
エリック・ドルフィーがいいアクセントとして機能して、全体をキリっと引き締めています。さすが目配りが行き届いていますね〜。