ダドリー・ベンソンは
ニュージーランドの
シンガー・ソングライター。『ジ・
アウェイクニング』は2008年にリリースされた1stアルバムです。
ニュージーランドの
先住民族、
マオリ族の歴史・文化に深い関心を寄せているダドリーですが、ここで聴くことのできるのは
ハープシコードや
聖歌隊、ストリングスなどを用いて編まれた
室内楽的な響きをもつヴォーカル・アルバムとなっています。
聖歌隊を導入した曲でも仰々しさはなく、内省的な仕上がりになっているのが魅力的です。典雅さと親しみやすさが絶妙に溶け合っているのですね。全体的にダンカン・ブラウンの1stに近いものを感じますし、リコーダーを使用した曲には
ヴァシュティ・バニヤンを連想させる響きがあります。実際ダドリーはヴァシュティの復活作『ルックアフタリング』に影響を受けたと語っていますし、2010年の2ndアルバムではなんとそのヴァシュティ本人と共演まで果たしているのですから驚かされます。