6/4 Garden Place Choir第40回定期演奏会「J.S.バッハ/ロ短調ミサ」@紀尾井ホール

ガーデン・プレイス・クワイアの第40回の節目となる演奏会は、バッハのロ短調ミサという大曲でした。演奏前には指揮者の櫻屋敷による解説があったのですが、通奏低音の役割にポイントを絞り、西洋音楽の和声構造を短い時間の中でかみくだいて説明した良いものでした。解説終了後、程なくして合唱団、演奏者が入場して大曲の幕が開きました。
比較的ゆったりとしたテンポで始まった「キリエ」。透明感のある、丹念な歌唱なのですが、まだ硬さが取れないのか、ちょっと迫力に欠ける感がありましたね。しかし、2曲目「グローリア」の後半からぐっと多彩さと力強さが出て、休憩を挟んだ第2部「クレド」からはもうすっかり安心して曲の世界に身を委ねることが出来ましたよ。独唱陣も安定していて、中でもアルト・パートを担当したカウンターテナーの上杉清仁の歌唱が特に印象的でした。
全体的に柔らかで透明感のある響きの中に、曲に対する深い思いが込められていた演奏だったと思います。あまり実演に接する機会がこれまで無かったのですが、各声部の重なり方などが視覚的にも確認できるのはいいですね。これからも機会があればバッハの演奏会に行ってみたいと思わせる充実したコンサートでした。