昨年末の
ムーンライダーズのライヴで「テクノ・ポップを“ピコピコ”と表現するのはおかしいと思う。何か他の呼び方はないものか」といった主旨のことを話していた
岡田徹。
ムーンライダーズの中でも人一倍テクノ・ポップへこだわる彼がイマイケンタロウ(
エイプリルズ)とpolymoog(
ELEKTEL)と結成したテクノ・ポップ・ユニットがCTO LAB.です。CTOとは“Compact Techno Organization”を略したもので、その名の通り、ここで彼らは
KORG DS-10、
KAOSSILATOR、
TENORI-ON、
iPod Touch、Nintendo
Wiiリモコンといった小型電子楽器を主に用いて、80年代のテクノ・ポップを彷彿とさせる
サウンドを展開しています。かつて
YMOがデビューしたときはタンスに例えられたほどの大きなMC-8などを用いていたものですが、その
サウンドをこうしたコンパクトな機器で現代に蘇らせたのがポイントですね。岡田特有のひとなつっこいメロディを持った音楽を存分に楽しめます。
岡田徹には熟練プロデューサーとしての職人的な面もありますが、心の奥には若い頃から変わらぬ音楽へのときめく思いがあることを常に感じられるのが大きな魅力。このアルバムからも彼のテクノ・ポップへのトキメキをたっぷりと感じることができるのです。