チェンバロ奏者であり、
バロック・ハープも奏でる西山まりえのバッハ・シリーズ第3弾です。漫画家の
さそうあきらがジャケットを手がけているこのシリーズは、これまでに「
ゴルトベルク変奏曲」、「イタリア協奏曲と
フランス風序曲」とリリースされ、いずれも話題を呼びました。「
レコード芸術」誌では毎回高い評価を獲得しているのですが、インターネット等でざっと調べてみても、絶賛する人もいれば「彼女のバッハだけは認められない」とする人など賛否両論。私も以前、
ツイッターで彼女が弾く「
ゴルトベルク変奏曲」のアリアの動画を紹介したことがあるのですが、周囲のバッハ好きの方々の評判はよろしくありませんでしたね〜(^^;)。裏をかえせばそれだけ個性が発揮された斬新な解釈だったということで、私はまんまと虜になってしまいました。この「
インヴェンションとシンフォニア」でもその個性は健在。あれ、これはこんな曲だったっけ?と思う瞬間がたびたび出現して、最後まで飽きさせません。まさに“インヴェンション”(創意・着想)に満ちたバッハ。もちろん勝手きままに弾いているのではなくて、その背後には彼女なりの楽曲分析があることはいうまでもありません。その上で彼女の意志を出した結果がこの演奏となっているのですね。次に彼女が挑むのは果たして
平均律クラヴィーア曲集か、パル
ティータかそれとも・・・?このシリーズの行方には今後も注目です。