キース・ジャレット『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』

メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー

メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー

有名な『ケルン・コンサート』を始めとした一連のピアノ・ソロによる即興は、独特の気取りが感じられて苦手なのですが(例外は『ウィーン・コンサート』と『ラ・スカラ』)、このスタンダード集はそんなキース・ジャレットの素の表情がうかがえるようで愛聴しています。自己表現よりも曲の美しさを引き出すことに専念しているかのように、一音一音を慈しみながらピアノを奏でるジャレットがここにいる。何枚もつくれるような性質の音楽ではないでしょうが、またこんなアルバムをいつか出してくれたらうれしい。