羽海野チカ『3月のライオン』第4巻
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: コミック
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そんな名人戦第1局2日目と同日という、これ以上ないタイミングで刊行された「3月のライオン」最新巻。表紙もついに棋士の姿が登場しまごうことなき将棋マンガの様相となりました。この巻は宗谷名人対島田八段のタイトル戦「獅子王戦」の戦いがメインとなっています。宗谷名人は実績だけなら羽生名人レベルの存在として描かれているのですが、いかんせん登場してまだ日が浅いので、神秘的な面ばかり際立ってその人物像はまだ漠然としたままです。従ってこの巻の主役は堂々と表紙を飾った島田八段。おそらくモデルとなったのは木村八段で、そこに深浦王位の故郷への思いの強さを加えたという感じなのですが、そんなことを知らなくても、ここで描かれた苦闘する島田八段の姿には引き込まれずにはいられないでしょう。どんなに苦しむ姿が描かれていても読後感が良いのは羽海野マンガの大きな魅力で、自然に作中人物に共感しながら読み進めることができました。