今日はずっとこれを聴いて過ごしていました。
ジェフ・ベック7年ぶりの新作。ジャケットの印象からバリバリに弾きまくっているのだろうな、と思ったらなんと“ウィズ・ストリングス”ものでしたよ。64名編成のオーケストラを従えて「虹の彼方に」や「
誰も寝てはならぬ」まで取り上げています。そういえばかつては「恋は水色」や「グリーンスリーヴス」もやってたものなあ。『ブロウ・バイ・ブロウ』や『
ワイアード』のような激しさや、トリッキーなフレーズで鋭く切り込んでいく演奏を期待していた人はガッカリするかもしれません。しかし、
ジェフ・ベックのアルバムでこれほどまでに歌心が表面に出た作品はなかったのではないでしょうか。音色やメロディーの歌わせ方のひとつひとつにベックならではの味があって、単なる“ウィズ・ストリングス”ものに終わらせていません。ゆったりした曲でも枯れた印象を与えないのが素晴らしいです。ヴォーカルが加わった曲もいくつかあって、アルバムに起伏をつけていますが、特に
ジョス・ストーンの迫力あるヴォーカルがいいですね。これは往年の
ジェフ・ベック・グループが好きだった人にも受けそうです。日本盤にはボーナス・トラックが2曲。中でも
ジュリー・ロンドンのカヴァー「クライ・ミー・ア・リヴァー」のとろけるような演奏が絶品です。
ライヴでは以前から取り上げていたんですね。