アヌアル・ブラヒム『黒猫の歩み』

黒猫の歩み

黒猫の歩み

ECMの中では異色作となるでしょうか。なにせ編成がウード、ピアノ、アコーディオンという他に類を見ないものになっているのです。アラビックなウードとピアノが重なる瞬間の無国籍感、それにアコーディオンの響きが独特の感触を加えます。ほとんどがゆったりした曲なので、強烈なトリップ感覚というのはないけれど、だからこそ、耳をそばだてて聴くほどに多彩なイマジネーションが浮かんでくるのです。そういった意味では、やはりECMならではの作品なのか、と改めて納得した次第。