ECMを代表するサックス奏者の2004年作。通常のジャズ・コンボのフォーマットに留まらず、
古楽の
ヒリヤード・アンサンブルとのコラボレーションなど多様な試みを行っている人ですが、このアルバムでは
ヴィオラ奏者のキム・カシュカシャンとドラムスのマヌ・カッチェとのトリオ編成となっています。ヤン自身がサックスだけではなく、
シンセサイザーや
サンプラーを駆使しているのも注目に値しますが、やはりカシュカシャンの
ヴィオラとヤンのサックスの音色が響きあう瞬間の美しさこそが本作の魅力でしょう。特にクラシックの洗練と中近東的な
エスニックな世界観の両方をもちこんだカシュカシャンの
ヴィオラの素晴らしさが光ります。