セロニアス・モンク『モンクス・ミュージック』

セロニアス・モンクはソロ・アルバムが一番好き、という人は多いですね。確かに『セロニアス・ヒムセルフ』のような孤高の名盤にはモンク以外には成し得ないユニークな音楽が響いていますが、私が好きなのはコンボ編成のアルバム、特に強力なホーン奏者と組んでるものです。モンクが響かせる不協和音をかいくぐって、いかに自分の色を出して吹きまくるか、そのせめぎあいが聴いていてとても面白いんです。「俺が吹いているときは弾くな」といったマイルスの気持ちも分からないではないですが(^^;)、『ブリリアント・コーナーズ』でのソニー・ロリンズしかり、『ミステリオーソ』でのジョニー・グリフィンしかり、そして本作でのジョン・コルトレーンしかり、それぞれが普段以上に個性的なソロをモンクのアルバムでは聴かせてくれているように思います。まあ、本作のコールマン・ホーキンスはかなりマイ・ペースですが、彼の場合それが味ですよね。