2009年年間ベスト10

あっという間に年の瀬が迫ってきたので、毎年恒例の企画をここで。今年はビートルズクラフトワークのリマスター、細野歌謡BOXやはちみつぱいBOXといった再発売や未発表音源の発掘モノが強力すぎて新譜がかすみがちでしたが、じっくり耳を傾けるに足る作品はちゃんと生み出されていることを選盤の過程で改めて認識しました。
※順番はアーティスト名の50音順です。

アレハンドロ・フラノフ『デジタリア』

Digitaria / デジタリア

Digitaria / デジタリア

先日のレヴューでも書きましたが、一人で自由にやっていながらも自己満足やエゴイスティックといったところから程遠い地点で音楽が鳴っているのが素晴らしい。音と戯れるとはどういうことかを教えてくれるアルバム。

アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ『ザ・クライング・ライト』

ザ・クライング・ライト

ザ・クライング・ライト

ジミー・スコットを初めて聴いたときのことを思い出す。性別や年齢を超えた“人間”そのものの声とはこういうものかと思わせる歌声。

クレア&リーズンズ『アロー』

アロー

アロー

エレクトロニカとバーパンク・サウンドの幸せな融合。ジャケットも好き。

渋谷慶一郎『フォー・マリア』

ATAK015フォー・マリア

ATAK015フォー・マリア

これまで試みてきた電子音楽等での音響実験があるからこそ生まれた生々しいピアノの音色の魅力。

シャロン・ヴァン・エッテン『ビコーズ・アイ・ワズ・イン・ラヴ』

Because I was in love

Because I was in love

エスパーズのレーベルからリリースされたアシッド・フォークの傑作。

デヴィド・シルヴィアン『マナフォン』

マナフォン

マナフォン

ここで聴かれるヴォーカルとサウンドの独自の関係はもはや既存のジャンルで例えることは不可能。にもかかわらず、聴けば聴く程ブリティッシュ・フォークとの親近性を強く感じてしまうのが不思議。

フリート・フォクシーズ『フリート・フォクシーズ』

Fleet Foxes

Fleet Foxes

ビーチ・ボーイズザ・バンドの曲を教会で演奏しているような音楽。

プリファブ・スプラウト『レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック』

レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック

レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック

音が少々安っぽかろうとも、パディ・マクアルーンの声と彼が生み出すメロディは無条件で私の胸を熱くさせるのです。

ムーンライダーズ『Tokyo 7』

Tokyo7

Tokyo7

90年代の迷走ぶりが信じられないくらい、21世紀になってからの彼らの快進撃はすごいものがあります。この新作も若さと深さが見事に両立した快作。大滝詠一がかつて予言したように、いよいよ鈴木慶一の時代が来るのでしょうか?こないだ出たかしぶちソロもらしさ全開でよかったです。

ワールズ・エンド・ガールフレンド『空気人形O.S.T

空気人形 O.S.T.

空気人形 O.S.T.

以前に書いたレヴューの通り“エレクトロニカを通過した感性で紡がれた現代のチェンバー・ミュージック”。