王より飛車を可愛がる日記(4)

12/5 第4期棋音戦七番勝負第3局 ankoro棋音vs風来坊馬王

ついに自分の敗局を掲載しなくてはならぬ時がやってきました(^^;)。2連勝と好調なスタートを切った棋音戦第3局です。先手があんころ棋音で後手が私。得意の右四間飛車に構えました。対して金を7九に寄せたのが棋音の工夫。これを見て私は急戦じゃなくて持久戦にしようと思いました。金を玉と反対に寄せた以上、あまり堅い囲いにはならないだろう。ならばがっちりこちらが固めれば有利になるという考えです。
初手から:▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △6四歩 ▲7五歩 △6二飛 ▲6八飛 △7二銀 ▲7八銀 △6三銀 ▲6七銀 △5四銀 ▲7九金(図1)

いつもなら右四間で持久戦を目指す場合は左美濃から米長玉にして銀冠とするのが私の流儀なのですが、2連勝と星に余裕があることもあって今回は穴熊を練習してみようと思いました。対して棋音は穴熊が完成する前に動いてきましたが、これは想定内。このときは余裕かましていました(^^;)。
図1から: △4二玉 ▲4八玉 △5二金右 ▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △3三角 ▲3八銀 △2二玉 ▲5六銀 △1二香 ▲6九飛 △1一玉 ▲6五歩 △8八角成(図2)

角交換で浮き駒になった相手の金を執拗に狙って優勢。棋音も龍を成りこませたのですが、これは怖くないと踏んでいました。棋音は意外だったらしく、感想戦で図3の局面は「8二金と防ぐと思っていた」と語っていましたが、それは金がその後遊び駒になるだけなので、私は一秒も考えませんでした。そして龍が自陣に進入しても受けきれると考えた、その判断は正しかったと思います。しかし、ここから楽観に基づく私の甘い大局観が形勢を損ねていくのでありました。とりあえず穴熊の銀のハッチをしめたまでは良かったのですが・・・。
図2から:▲同 金 △3三角 ▲7七角 △同角成 ▲同 桂 △6五歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 桂 △3三角 ▲6六角 △同 角 ▲同 飛 △3三角 ▲8六飛 △8八角成 ▲8三飛成 △2二銀(図3)

先手は左桂がポンポンと跳ねだして、気持ちよさげですが、これは互いに桂をさばきあっただけなのであまい意味がないどころか、手順に飛車がさばけたこちらが有利。棋音が玉頭に攻め駒を集中させてきましたが、馬も遠くから守りに利いているし、大丈夫だろうと有利な局面に気を良くしたのが災いしました。ここは手持ちの金を3二に投入してがっちりと固めるべきだったのです。調子にのって美濃崩しを目指して打った4八銀が大悪手。どうせ打つならまだしも香にすべきでこれが敗着となりました。
図3から:▲8一龍 △3一金 ▲9一龍 △6五飛 ▲2六香 △5五馬 ▲4六銀 △9九馬 ▲1六歩 △6九飛成 ▲1五桂 △4八銀(図4)

△4八銀はそれにしてもひどい。4八香なら、もし同金とした場合3九銀打で好調なのですが、銀なので普通に取っても何も起こらないんですね。こんな手を指して勝てたらどうかしてます。案の定、棋音は平然と手抜いて猛攻をかけてきました。これも穴熊を完成させなかった罪。たちまち必至になりました。
図4から:▲2三桂成 △同 銀 ▲3一龍 △2二歩 ▲2三香成 △同 歩 ▲5五角 △同 馬 ▲同 銀 △2二金 ▲3三銀(図5)

以下は形づくり。こちらの持ち駒に金か銀でもあればまだしもですが、詰みは無いとわかって指すのは虚しい気分でした。こちらの甘さを厳しくつかれ、完敗した一局。棋音の隙を逃さない攻めが見事でした。次は気を引き締めて勝負に臨みますよ!
図5から: △3六桂 ▲同 歩 △3九角 ▲1八玉 △1七香 ▲同 桂 △4九龍 ▲2二龍まで77手で詰(投了図)