波多野睦美&高橋悠治『ゆめのよる』

私の大好きなメゾ・ソプラノの歌手、波多野睦美の新作は高橋悠治とのコラボレーション。モンポウプーランク、サティなどのフランス系の歌曲に高橋悠治の歌曲も数曲混じっているという不思議な構成のアルバムですが、違和感はそれほど感じません。ドイツのリートよりフランスのメロディの方が性にあう私にとってはうれしいアルバム。波多野の押し付けがましくない、しなやかな歌声が心地よく、高橋悠治の伴奏も思った以上に普通で(^^;)、曲の魅力を端的に引き出しています。クラシックの歌曲となると気後れする方も多いかもしれませんが、近年のコシミハルのアルバムが好きな方なら大丈夫ですよ。タイトル曲は矢野顕子が悠治に依頼して出来た曲。『brooch』に収録されているので聴き比べてみるのも一興。