アイウォーターリリーズ『スラント・オブ・ライト』

スラント・オブ・ライト(BOM24119)

スラント・オブ・ライト(BOM24119)

2007年に発表された1st。ジャケットを見て女性シンガー・ソング・ライターのアルバムかと思って購入したら、ノルウェー出身の4人編成のグループでした(^^;)。ジャケットの女性もメンバーのひとりでヴォーカルを担当しています。他の3人はトランペット、ベース、ギターでドラムもキーボードも不在というちょっと変わった編成なのが特徴。サウンドは音数を絞った、静謐で浮遊感漂うもの。トランペットがかなりフリー・ジャズ的な演奏をしているのですが、アンビエントな空間の中に自然にとけこんでいるのが面白い。ECMを思わせるところもあるアンビエントサウンドの中で歌われるのは19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンの詩の数々*1歌と伴奏という定型におさまらない声とサウンドの関係は近年のデヴィッド・シルヴィアンにも通ずるところがあるように感じられます。

*1:武満徹が好きな方なら、彼が彼女の詩の一節からとった題名をもつ「そして、それが風であることを知った」を思い起こすことでしょう