ダニエル・ハーディング指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調(クック補筆完成版)』

マーラー:交響曲第10番

マーラー:交響曲第10番

マーラーは中学から高校にかけてよく聴いていた作曲家ですが、最近は遠ざかっていました。バーンスタインに代表される熱演系のを中心に集めていたのですが、聴くのがしんどくなってしまったんですね。そこで、今の感覚で演奏されていると思われるものを中心に改めて向き合ってみようと思い、手にとったのがこの1枚。1975年生まれの俊英、ダニエル・ハーディングによる第10番です。未完のまま残された草稿を元にイギリスの音楽学者、デリック・クックが演奏可能なヴァージョンとして完成させたものをここでは演奏しているのですが、「もっとも多く指揮してきた作品」とハーディング本人が語っているとおり、名門・ウィーンフィルサウンドの魅力を存分に引き出した、美しい(といってもそれに溺れているわけではない)演奏を堪能させてくれます。10番に関しては、しばらくこれが愛聴盤になりそう。他の曲はどうしようかな。今のところ、演奏はもちろん、安くて録音も良いと評価の高いジンマン/チューリヒ・トーンハレのチクルスを考えているのですが。