菅野よう子『アルジュナ into the another world』

菅野よう子セレクトをつくるにあたり色々聴き返した中で、これは傑作!と思った3枚を取り上げていきます。
まず最初は『アルジュナ』。おそらく彼女のサントラの中で最も野心的な一枚。無国籍なエスニック・ビート、ダークな雰囲気の中にふっと浮かびあがる清澄なメロディー、様々なジャンルを呑みこんだスケールの大きい荘厳な美しさは圧巻。架空の言語で歌われる曲が多いところなんてマグマみたいじゃありませんか(^^;)。いや、これはまさに21世紀のプログレ大名盤ですよ。そんな中で後半にふいに出てくる、坂本真綾の歌うポップ・ナンバー「バイク」「マメシバ」が浮いていなくて、逆に良いアクセントとなっているのにも唸らされます。


こちらはサントラ第2弾でミニアルバムの体裁ながら13曲収録。ジャケとタイトルはなんじゃこりゃですが(^^;)、2曲目「エンカ」で菊地成孔が参加していたりと聴きどころには事欠きません。アンビエント色が濃いのですが、その中にあって「アスラ実体化」は菅野得意のオーケストラ・サウンドが響きわたる迫力ある楽曲です。