鈴木慶一『シーシック・セイラーズ登場!』

発売日に即購入して、何度も聴いているのですがなかなか感想を言葉にしづらいアルバムであります。大好きなんですけどね〜。コンセプト・アルバムということになっているのですが、その割にはなんともとりとめのない印象を与えます。しかしそのとりとめのなさがそのまま魅力となっているのが厄介なところで、混沌とした中ふっと浮かび上がるキャッチーなメロディーや、上野洋子の声がやけに輝いて聴こえます。私が知る限り、音楽雑誌のインタビューではキンクスの『アーサー』やザ・フー『セル・アウト』などを引き合いに出して語っていますが、付属のDVDを含め、慶一の頭にふくらむ妄想をギリギリのところでポップ・ミュージックに落とし込んでいる点で、ゴングのラジオ・ノーム・インヴィジブルシリーズ辺りに近いような気がしました。