6/27 ミオ・フー「音楽実験室」@試聴室その2

昨日の午後は「ラスト・ワルツ」のDVDを見たりしながら過ごしていたのですが、夕方になって「そういえばミオ・フーが今夜だったっけ」と思い立ち当日券狙いで黄金町へ向かいました。ミオ・フーの音楽が好きというのはもちろんですが、かねてからid:amed-recさんが通いつめている「試聴室その2」という場所にも興味があったためです。
黄金町の駅を降りて線路沿いに歩くこと数分、ほどなくして線路下にある「試聴室その2」に到着したらamed-recさんと眼福さんが談笑しているところに遭遇。私の知る2大ライダーズ・ファンのお2人ですが意外にもちゃんと会って話をしたのは初めてとのこと。とはいってもそんなことは感じさせない、くつろいだ雰囲気がありました。私もその中に入って開場を待ちました。
初体験の「試聴室その2」はテラスがお洒落な空間でいい感じでした。壁にはLPジャケットが色々飾ってあるのですが、基本はスライやオーティスといったソウルやマイルス、ドナルド・バード、MJQといったジャズ。しかしそこに混じってさりげなく『カメラ=万年筆』や『招き猫カゲキ団』があるのが目を惹きます。また、横の小さいテーブルには忌野清志郎ポートレートが置かれてあり、改めて多くの音楽ファンに愛された彼の存在の大きさを実感しました。
さて、定刻になっていよいよミオ・フー登場。気取らない格好で客席の後ろから歩いてきてステージに登りました。今回は“音楽実験室”と銘打っているので、どんなことをやるつもりなのかと思っていましたが、美尾洋乃のヴァイオリン、キーボード、鈴木博文のギター、ベースといった基本フォーマットに加えて、ピアニカやパーカッション等、普段あまり演奏しない楽器も全部2人だけでやるというのが実験の眼目のようでした。また、即興的な要素も比較的多かったのも実験といえるかもしれません。ただし実験とはいっても固い雰囲気はなく、ピアニカの演奏や楽器を持ちかえる際のちょっとたどたどしい様子や、しのぎを削るというより空間をそっと埋めていくようなインプロヴィゼーションなど、あくまで2人の手作りで音楽を組み立てていこうといったリラックスしたものでした。良い意味で公開リハーサルみたいでしたね。ふーちゃんがパーカッションを叩くという珍しい姿も楽しめましたし、美尾さんが奏でたカリンバの響きが美しかったです。もともとミオ・フーの音楽は淡い水彩画を思わせるものですが、今回はそれに加えてデッサンやクロッキーも見せてくれたような印象です。時折響く電車の通過音もごく自然の演奏の一部となっているように聴こえ、あの木漏れ日フォークの名盤、ヘロンの1st(奇しくも店のCD棚にヘロンが2枚ありました)を思い起こすシーンもありました。
終演後は紙ジャケで再発されたミオ・フーの1stにサインをしてもらった後、amed-recさん、眼福さんなど10名の方と飲み。青森や大阪から来たという方もいらっしゃって、話に花が咲き、楽しいひとときを過ごすことができました。