ハービー・ハンコック『シークレッツ』

シークレッツ

シークレッツ

『ヘッド・ハンターズ』からの流れを受け継ぐファンク路線の76年作。かつての親分だったマイルスはこの時期“エレクトリック・マイルス”としてガンガン作品を量産していたわけで、ハービーもピアノだけではなく、アープ・オデッセイやモーグ・シンセ、クラヴィネットなど多種多様なキーボードを操り、“エレクトリック・ハンコック”として盛んに活動していたわけです。最もマイルスのほうはダークでカオティックな面の方が濃いのですが、こちらはやりたいことは明快。マイルスのような底無し沼的魅力はないけれど、聴き易さとポップさはこちらが上でしょう。実のところハンコックの演奏よりもワー・ワー・ワトソンのカッティング・ギターのカッコよさの方に耳を奪われてしまうのですが(笑)。