ミシシッピ・ジョン・ハート『Avalon Blues: The Complete 1928 Okeh Recordings』

Avalon Blues: Complete 1928 Okeh Recordings

Avalon Blues: Complete 1928 Okeh Recordings

ただいまタワレコで“1000円輸入盤”フェアのようなものをやっているのですが、その中からいくつか取り上げていこうと思います。聴いたつもりでいてしっかり聴いてなかった有名盤もこの機会に購入しているので、なかには「え、まだ持ってなかったの?」と思われるのもあると思いますが、笑って許してください(笑)。

で、早速ブルース好きの方には「今頃買ったのかよ」といわれそうなアルバムからスタートです。ブルースはアンソロジーで聴くことがほとんどなので単独のミュージシャンのはあまり持ってないのですね。言い訳はともかくとして冒頭のFRAKIEを聴いた瞬間から「なんで今までちゃんと聴いてこなかったのか」と思いました。ブルースのみならずフォークも連想させる穏やかな歌いぶりは、まさにここ数年気に入っているタイプの音楽なのですから。
このアルバムはハートが1928年にオーケー・レコードに残した録音をまとめたアルバムです。その後は録音の機会にめぐまれず、小作人として働く日々を送っていたのですが、1963年に再発見され一躍脚光をあびたという経歴で、再発見後の音源はかなり前に少し耳にしたことがあるのですが、あまり印象に残りませんでした。まだ私にとってこうした歌の味わいがわかるには早すぎたということでしょう。「なんで今まで・・・」とは思いましたが、ブリティッシュ・フォークなどのシンプルなアコースティック・ミュージックに親しんできた今だからこそ、ようやくこの音楽を楽しめるようになったと思います。ということはベストのタイミングで本作に出会えたのかもしれません。私にとってはブルースのアルバムというより良質なシンガーソング・ライターのアルバムです。これからも折に触れ聴き返していくでしょう。