マーシュ・マロウ『mingle-mangle marsh』

mingle-mangle marsh

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マーシュ・マロウは1999年に結成されたユニット。数回のメンバー・チェンジを経て現在は上野洋子、丸尾めぐみ、高田みち子、落合さと子、猪野陽子によって活動しています。メンバー全員がソロや別ユニットでも精力的に活躍しているため、スケジュール調整が大変なのでしょう。アルバムのリリースは8年振りでようやく2作目ですが、前作を上回るとてもカラフルで楽しいコーラス・アルバムとなっています。アルバム・タイトルは「ごたまぜマーシュ」という意味だそうで、スメンバー5人がそれぞれの個性をぶつけあったコーラスは端正な響きだけではなく、アラビックなコブシをまわしたり、ブルガリアン・ヴォイスのような魅力的な不協和音を鳴らしたりと多種多様。また、歌だけではなくメンバー全員が民族楽器やおもちゃの楽器などを演奏することで国籍不明のごたまぜ状態に拍車をかけています。典型的なのは猪野陽子が作曲した「サンドウィッチ」でしょうか。沖縄音楽っぽいメロディーは猪野がメンバーである上々颱風を彷彿とさせますが、冒頭と最後に聞こえるのは上野洋子の得意技であるブルガリアン・ヴォイス的なハーモニー。そしてアフリカやアラブ風のパーカッションが伴奏として重ねられ、なんとも不思議なガンボ・ミュージックとなっているのです。全7曲と収録曲数が少ないのは残念ですが、どの曲にも豊富なアイディアが詰め込まれ最後まで飽きさせません。ライヴを一度見てみたいグループのひとつです。6月のレコ発ライヴ行けるだろうか・・・。