FLEET FOXES『FLEET FOXES』

Fleet Foxes

Fleet Foxes

サブ・ポップ・レーベルといえばニルヴァーナサウンドガーデンなどを世に出したインディ・レーベルとして有名ですが、あまり私には縁がないレーベルでした。ところがこのFLEET FOXESは貴重な例外で、金曜日の夜に購入したばかりですが何度もリピートしています。昨年の作品ですが、発売時に聴いていたらきっと年間ベスト10に選んでましたね。
FLEET FOXESはシアトル出身で、昨年このアルバムをリリースしたばかりの新人バンドです。しかしジャケットからしてベテランのような佇まい。音楽の方もレーベル名から連想しがちなグランジ系ではありません。スタックリッジやブリティッシュ・フォーク・ロックを思わせるサウンドなんです。なんの予備知識無しに試聴機で聴いたときはジャケットのせいもあってイギリスのバンドだと思い込んでしまいましたよ。シアトルのバンドと知ったときはエスパーズがフィラデルフィア出身だったことを知ったときと同様の驚きがありました。
名前を出したついでにむりやりエスパーズと比較すると、どちらもブリティッシュ・フォーク的な要素を多く含むサウンドながら、FLEET FOXESの方がポップな印象を受けます。なんといっても彼らのサウンドのもう一つの魅力は分厚いコーラス・ワーク。同じアメリカ西海岸の大物であるビーチ・ボーイズをひきあいに出している文章もありましたが、深いエコーの中で響くFLEET FOXESのコーラスはビーチボーイズよりもはるかにヨーロッパ的で、時に聖歌隊を思わせる瞬間もあるのです。本人達はそんな自分たちの音楽を“バロック・ハーモニック・ポップ”と称しているそうで、なるほど言い得て妙だと感心しました。音だけでも充分魅力的なバンドですが、どんな歌詞を歌っているのかとても気になります。

Fleet Foxes - He Doesn't Know Why

Fleet Foxes - White Winter Hymnal