フィフス・ディメンション『ライヴ』

フィフス・ディメンションが残した代表作の数々が紙ジャケで発売されました。意外なことに2nd『マジック・ガーデン』を除いて国内盤でCDが出るのは初めてだそうです。
このライヴ・アルバムのオリジナルは1971年発表。シングル・カットされた「ネヴァー・マイ・ラヴ」は擬似ライヴ仕様ですが、その他は正真正銘のライヴ録音。スタジオ・アルバムのような緻密さは薄れていますが、代わりにソウル色が濃くなり、躍動感のあるパフォーマンスを聴かせてくれます。前半にローラ・ニーロ・メドレー、後半にジム・ウェッブ・メドレーと彼らに関わりの深いソングライターの作品を配する、サーヴィス精神にあふれた選曲も文句なし。希望のメッセージをアイロニー抜きで観客とアーティストが共有できた時代特有の幸福感がどの曲からもはっきりと伝わってきます。その象徴である「輝く星座〜レット・ザ・サンシャイン・イン」で堂々と最後を締めくくるのも納得ですね(CD化に際して未発表ライヴ音源が3曲加わっていますが)。