ウィリアム・ディヴォーン『ビー・サンクフル・フォー・ホワット・ユー・ガット』

ビー・サンクフル・フォー・ワット・ユー・ゴット

ビー・サンクフル・フォー・ワット・ユー・ゴット

“ストイックなマーヴィン・ゲイみたい”というのが最初に聴いた印象。バックはフィリー・ソウルの支えた、後のMFSBが務めているのですが、派手なことは一切せず黙々とバッキングに徹しています。特にドラムのなんというシンプルさ!主役のウィリアム・ディヴォーンのヴォーカルはマーヴィンを思わせる声質なのですが、シャウトはせずひたすらクールな歌いまわしです。それていて聴こえてくる音楽は無味乾燥とは正反対。抑えに抑えた表現の中からにじみ出るスイートネスがたまりません。マッシブ・アタックシャーデーが彼の音楽に惹かれたというのも納得ですね。