ブロッサム・ディアリー『シングス:ブロッサムズ・オウン・トレジャーズ』

シングス:ブロッサムズ・オウン・トレジャーズ

シングス:ブロッサムズ・オウン・トレジャーズ

今月7日、ブロッサム・ディアリーが亡くなりました。享年82。2年前までステージに立って歌っていたそうです。
一般的に代表作として取り上げられることが多いのはヴァーブ時代の作品ですが、ポップス・ファンとしては後年の自主レーベル、ダフォルディからリリースされた一連の作品の方が耳に馴染みやすいでしょう。このアルバムはダフォルディからの1st『シングス』を中心に、他のアルバムから数曲ずつと取り上げたコンピレーション。浮遊感のある、飾らないシンプルなサウンドの中に音楽の歓びが一杯詰まっています。ジョン・レノンに捧げた「ヘイ・ジョン」、ジョージィー・フェイムへの「スイート・ジョージィー・フェイム」、そのものずばりの「ダスティ・スプリングフィールド」などトリビュート・ソングの名曲が多いのも彼女の特徴のひとつで、何よりも音楽を愛していた人だったことがこれらの曲からは伝わってきます。晩年のクリスマス・アルバムに至るまで、小鳥のさえずりのようなキュートな声は最後まで変わることはありませんでした。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

sweet georgie fame

dusty springfield