菅野よう子とがっちりタッグを組んでいた時代の作品群が凄すぎて、それ以降の楽曲はどうしても薄味に聴こえてしまっていたのですが、この久々の新作は過剰な期待をしなければ優れたポップ・アルバムとして充分に楽しめる出来栄えとなっています。今作では２曲を
菅野よう子を提供していて、アルバムにピリッとした刺激を与えていますが、他にも格調高い
窪田ミナ提供曲「Vento」、
ムーンライダーズ・
武川雅寛のヴァイオリンが大活躍する
鈴木祥子作品「風待ちジェット」、ポップに弾ける
Round Table北川勝利曲「Get No Satisfaction」、ちょっとコミカルな
「ピーナッツ」などヴァラエティに富んだ楽曲揃い。そしてそれらを堂々と歌いこなす、彼女の歌手としての成長ぶりがはっきりと見てとれるのもうれしいところですね。ただ、そうなると『DIVE』の頃の不安定で儚げな歌唱をつい懐かしく思ってしまう瞬間もあるのですが(^^;)。
