ジョン・サイモン『アウト・オン・ザ・ストリート』

Out on the Street

Out on the Street

1992年、実に20年ぶりに発表された3rdアルバム。個人的にようやくザ・バンドの良さがわかりつつあった時期のリリースだっただけあって、何度も繰り返し聴いたものです。ジャズやニュー・オリンズ・スタイルをベースとした音楽性は彼の他のアルバムと変わらないのですが、このアルバム以前の2枚、この後にリリースされた作品に比べるとかなりコンテンポラリーな感触があるのが本作の特徴で、その辺りに少し違和感を感じる方もいるかもしれません。しかしタイトル・チューンがジョン・サイモンのキャリアを通しても屈指の名曲で、この曲が聴けるだけでも本作を入手する価値があるといってもいいくらいです。ジョン・サイモンの歌をひきついでリック・ダンコが歌う。続いてリヴォン・ヘルムの歌が聞こえ、そして3人が声をあわせて歌う・・・3人の声が重なる瞬間は何度聴いても胸が熱くなりますね。まあ後半の女声コーラスはいらないかな、なんて今ではチラッと思うのですが(^^;)。このアルバムのハイライトであることに変わりはないでしょう。