第49期王位戦第七局:深浦王位vs羽生四冠

羽生四冠の快進撃がストップしました。3勝3敗のフルセットにもつれこんだ七番勝負は最後まで目を放せない激しい戦いの末、深浦王位が羽生四冠を降し、見事防衛を果たしたのです。これで昨年のタイトル奪取に続き、2年連続でタイトル戦で羽生を破ったのだから素晴らしいです。今の将棋界は実績だけを見るならば羽生四冠が突出していますが、トップ棋士達の実力はかなり拮抗していると私は思っています。今回の防衛劇はそのことの証ではないでしょうか。もちろん、その強豪がひしめく中で四冠を勝ち取っている羽生は凄いとしかいいようがないのですが・・・。素晴らしい棋士は羽生四冠だけではない、という認識がもっと一般にも広まればうれしいですね。今のトップ棋士はそれぞれ独自の個性をもち、かつ勝負への凄まじい執念を持って戦っています(もちろん他の棋士達もそれぞれ情熱を燃やして将棋に取り組んでいるのですが)。
例えばこの間戦われたA級順位戦の佐藤棋王vs木村八段。この日はやや体調を崩していたので、22時頃ざっと局面を見て「まだかかりそうだな」と思って寝たのですが、朝の6時に起きて結果を確かめようと画面を開いたらまだ勝負が続いていたので驚きました。深夜に互いの玉がつかまらない状態になったので持将棋となり指し直しになったのですね。この将棋は佐藤棋王の攻めをしのぎきった木村八段の勝利となったのですが、朝10時に始まった対局が翌日の6時過ぎにようやく決着がついたのですからなんとも壮絶です。このすごさ、面白さが野球やサッカーのように多くの人に伝わればいいのですが・・・。