ザ・フー『ザ・フー・セル・アウト』

ザ・フー・セル・アウト+10

ザ・フー・セル・アウト+10

ザ・フーではこのアルバムが一番好き・・・なんて書くと熱心なファンに怒られそう(^^;)。もちろん『トミー』や『フーズ・ネクスト』、『四重人格』といった代表作も好きなんですよ。でもフーのアルバムでこの作品程聴いていて楽しくなるのはありません。架空のラジオ局のジングルで曲をつなぐ、というアイデア大滝詠一『ゴー・ゴー・ナイアガラ』を思わせますし、デ・ラ・ソウル辺りから始まったとおぼしき、インタールードを多用するヒップ・ホップやR&Bのアルバムの先駆けともいえるかもしれません。とにかくここでの彼らはキャッチーなポップさが全開。ビーチ・ボーイズばりのコーラスやラテンっぽいギターも聴くことができ、いわゆるステロタイプな“ロック”のイメージを軽々と振り払った軽やかな音楽を聴かせてくれるのです。