カルリーニョス・ブラウン『バイーアの空のもとで』

バイーアの空のもとで

バイーアの空のもとで

最近はあまり目立ったニュースを聞かなくなってしまったような気がしますが、このデビュー・アルバムが出た96年当時は、まさにブラジル音楽の切り札が“満を持して”の登場、といった感じで盛り上がりました。そして、それを裏切らないアルバムだと思います。サンバはもちろん、ファンク、ヒップホップ、レゲエ、アフロ・ビート・・・etcと溢れ出すリズムの洪水は、なるほど芸名をジェームズ・ブラウンから取っただけのことはあると思わせる説得力があります。楽曲は基本的にポップなのですが、それだけに止まらないダークでミステリアスな表情も時に見せるのが本作に奥行きを与えています。冒頭の一音から最後に至るまで才気に満ち満ちた一枚。

Carlinhos Brown - A Namorada

アルバム後半のハイライト・ナンバー