エヴリシング・プレイ『エヴリシング・プレイ〜明日はもっと懐かしい〜』

huraibou2008-08-28

EVERYTHING PLAY

EVERYTHING PLAY

ワールド・スタンダードこと鈴木惣一朗がノン・スタンダードレーベルの終了に伴い心機一転、シンセ・マニュピレーターの美島豊明と結成したユニットが「エヴリシング・プレイ」です。1987年から1992年の間に3枚のアルバムを残しました。これはラスト・アルバムにあたる3rd。1stはソフト・ロックとテクノ・ポップの融合、2ndはオリエンタル・エキゾティック・ラウンジと一作毎に大胆に変化してきた彼らがたどり着いたのはラウンジ的なアンビエント・ハウス・・・というより、今なら“早すぎたエレクトロニカ”と呼ぶのがぴったり。いや、最近のマンネリ化が著しいエレクトロニカよりはこちらの方がずっと新鮮に響きます。生楽器と電子音の巧みなブレンドはもちろん、過去のアルバムで試みたソフト・ロック的な要素やエキゾティックな要素も隠し味的にブレンドされて、聴きざわりは滑らか。インスト・アルバムなのに曲名のほとんどがポール・マッカートニーからの借用といった遊び心もあって、聴く者の想像力が自由に広がっていく作品になっているのです。まさに“もの・皆・奏でる”音楽の喜びに包まれた一枚。