ワールド・スタンダードこと
鈴木惣一朗がノン・スタンダードレーベルの終了に伴い心機一転、シンセ・マニュピレーターの美島豊明と結成したユニットが「エヴリシング・プレイ」です。1987年から1992年の間に3枚のアルバムを残しました。これはラスト・アルバムにあたる3rd。1stは
ソフト・ロックとテクノ・ポップの融合、2ndはオリエンタル・エキゾティック・ラウンジと一作毎に大胆に変化してきた彼らがたどり着いたのはラウンジ的な
アンビエント・ハウス・・・というより、今なら“早すぎた
エレクトロニカ”と呼ぶのがぴったり。いや、最近のマンネリ化が著しい
エレクトロニカよりはこちらの方がずっと新鮮に響きます。生楽器と電子音の巧みな
ブレンドはもちろん、過去のアルバムで試みた
ソフト・ロック的な要素やエキゾティックな要素も隠し味的に
ブレンドされて、聴きざわりは滑らか。インスト・アルバムなのに曲名のほとんどが
ポール・マッカートニーからの借用といった遊び心もあって、聴く者の想像力が自由に広がっていく作品になっているのです。まさに“もの・皆・奏でる”音楽の喜びに包まれた一枚。