サーカス『アルファミュージック編1978〜1980』

サーカス アルファミュージック編 1978~1980

サーカス アルファミュージック編 1978~1980

初めて自分で意識した邦楽のアルバムが、なにを隠そうサーカスの1stでした。TVで流れていた「Mr.サマータイム」に夢中になり、親にせがんで買ってもらったような覚えがあります。当時10歳だった子供の眼には彼らはとても大人びて、お洒落に見えたものでした。このコンピレーション・アルバムはアルファ時代の音源を全て収録したもので、ディスク1の最初の10曲が1stアルバムの曲です。アレンジは全曲前田憲男が手がけていて統一感があり、今でも充分聴けます。曲も大瀧詠一夢で逢えたら」や吉田美奈子「ケッペキにいさん」やボズ・スキャッグスのカヴァーが収録されていて粒揃いです。当時はまだ大瀧詠一のおの字も知らなかったのですが、こんな形でファースト・コンタクトを果たしていたんですね〜。今でも私にとって「夢で逢えたら」といえばシリア・ポールやラッツ&スターではなくて、まずこのサーカスのヴァージョンが頭の中で鳴り響くんです。アルバム以外の曲では坂本龍一がアレンジを手がけてヒットした「アメリカン・フィーリング」も有名ですね。他にも鈴木茂佐藤博がアレンジしている曲もあり、なるほどアルファならではの人選だと今にして思います。単になつかしさだけで終わらず、色々再発見があったのがうれしい一枚でした。