菅野よう子『マクロスF(フロンティア)O.S.T 娘フロ。』

マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。

マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。

最近はこういうジャケットでも平然とレジに持っていけるようになったのはいいことなのか、それとも悪いことなのか(^^;)。いや、恥ずかしがっている場合じゃありません。これは菅野よう子のみなぎる才能が最初から最後まで迸っている力強いアルバムです。収録されている24曲中半分がヴォーカル曲。坂本真綾が久々に菅野作品を歌った「トライアングラー」目当てで購入したのですが、その他の曲も似た声質のヴォーカルを使っているせいもあって充分楽しむことができました。前半の菅野流パワー・ポップはなにしろ演奏にバカボン鈴木今堀恒雄を起用しているので、強靭無比なバンド・アンサンブルが高揚感をいやがおうにも煽り立てます。凄まじいまでの疾走感。中盤のユニークな曲はサントラならではのバラエティ感を出すのに貢献しているし、後半のスケールの大きい楽曲への流れも見事です。
そして、歌もの以外の曲はワルシャワ・フィルハーモニック・オーケストラによる雄大サウンドがほとんどで、これもまた菅野よう子の十八番ですよね。オーケストラ曲になってもテンションが下がることはありません。いやはや、なんともアグレッシヴなアルバムです。正直マクロス・シリーズはフロンティアどころか過去のシリーズも見たことがないんですよ。おかげでブックレットの対談形式による楽曲解説はなにがなにやらさっぱりわからなかったのですが(^^;)、そんな門外漢も引っ張り込んでまきこんでしまう力にあふれています。

坂本真綾トライアングラー


やっぱり坂本真綾には菅野よう子の曲がよく似合う。