モダン・ジャズ・カルテット『ヨーロピアン・コンサート』

ヨーロピアン・コンサート

ヨーロピアン・コンサート

ジョン・ルイスが導入したクラシックの音楽性や、『ジャンゴ』『コンコルド』『フォンテッサ』『たそがれのヴェニス』といった端正な印象を残す数々の名盤からは一見想像がつきにくいのですが、彼らはライヴでもその実力をいかんなく発揮したグループでした。1960年のヨーロッパ・ツアーの模様を収めたこの作品は、脂ののりきった時期の彼らの充実した演奏がたっぷりと楽しめるライヴ・アルバムとなっています。ライヴならではのテンションがどの曲にもみなぎっていて、優雅な曲調の中にもジャズならではのスリリングな感触やスイングが感じられるのが見事。どうしてもミルト・ジャクソンジョン・ルイスのソロに耳がいきがちですが、改めて聴いてみるとリズム・セクションの2人もいい演奏をしていますね。特にまろやかな音色のベースを奏でる、パーシー・ヒースが魅力的です。