将棋界の一番長い日

今日はA級順位戦最終9回戦。10名のトッププロが一年かけて名人挑戦権を目指して争うリーグ戦の最終局です。この日の結果で名人挑戦者1名と、B級1組への降級2名が決定します。
名人挑戦に最も近いのは羽生二冠、後を追うのが三浦八段でこちらの争いももちろん興味深いのですが、それ以上に目が話せないのが残留争い。今期はなんと佐藤二冠と久保八段が降級の危機を迎えているのです。このクラスになると全員の実力が拮抗しています。佐藤二冠はこの一年やや不調だったとはいえ、棋聖位を防衛し竜王戦にも挑戦。久保八段も王座、王将のタイトル戦に挑戦しており、決して2人が突然弱くなったわけではないのです。残念ながら最終局を待たずして降級が決まってしまった行方八段にしても、朝日杯では優勝を飾っていてちゃんと他の棋戦では結果を残しているのです。そんな実力者の彼らでさえもこの順位戦に限っては苦しい戦いを強いられているのですから、いかに苛烈なリーグ戦なのかがわかります。
朝の10時に開局し、昼と夕の食事休憩を挟んで延々熱戦が繰り広げられています。終局が24時を超えることも珍しくありません。今日は特別な日とあってBSでも中継があります。明日も仕事なので最後まで見ることはできませんが、ひな祭りの日に行われている男達の熱い戦いの模様をできるだけ見ておこうと思っています。

(追記)
22:34 風呂からあがったら羽生二冠が谷川九段に勝利で名人挑戦者に名乗りをあげました。谷川九段、あっさりすぎるよ・・・。

(追々記)
私が一番応援している佐藤二冠が執念で残留を決めました。途中自玉に詰みが生じていたのを木村八段が痛恨の見逃しで、九死に一生を得た将棋だったらしいですね。名人戦棋譜速報の応援掲示板に貼られた苦悶の表情と終局後の安堵の表情が印象的です。残留おめでとうございます。