つのだたかし『南に帰る』

huraibou2008-01-27

リュート奏者として数々のアルバムを発表しているつのだたかしが、60歳の記念にリュートをギターに持ち替えて、弾き語りを試みたアルバムです。CDのブックレットの中で「いつも歌っている「鼻歌」を録音してみた」と書いていますが、誤解をおそれずにいえば正にこのアルバムは鼻歌感覚でつくられたもの。ただし、鼻歌といっても“繊細な鼻歌”というべきもので、朗々と歌い上げるのではなく、自分自身に語りかけるように、優しく慈しみながら歌っているので、つのだの曲に対する愛着が自然に聴く方にも伝わってくるのです。この感触はヴァシュティ・バニヤンの歌を聴いているときと近いものがありますね。心が少し荒んだときにそっと流したい音楽。