ディスク・ガイド3冊

エコーマウンテンレコードブック

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宇宙の柳、たましいの下着

宇宙の柳、たましいの下着

「今日は今年よく読んだディスク・ガイド3冊です」
「上の2冊はもう何年も愛読してますね」
「ええ。もう情報を得るためというより絵本として接してますよ」
「絵本?」
「そう。特に渚十吾の本ね。分類も独特だし、コメントも散文詩的。これは大人の音楽ファンのための絵本です。」
「UKプログレガイドも?」
「実用としても参考にしたけど、最近はやっぱり絵本的な読み方をしてるね。最近またプログレのガイド本が出ているようだけど、僕は当分これと姉妹本の赤本(メインストリーム・エディション)があればいいな」
「赤と青はどう違うの?」
「赤は文字通り典型的なUKプログレのバンドを紹介しているんだけど、青はやや周辺的なものを取り上げているんだ」
「でもキング・クリムゾン青本で取り上げられているじゃない」
「クリムゾンはジャズ的要素も濃いから青になったんだろうね。構成は第1部がクリムゾンとヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター周辺。第2部がカンタベリーとジャズ・ロック、そして第3部がブリティッシュ・フォークとなっている。もう完璧にワタシ好みとなっているね(笑)」
「で、これも今や絵本だと」
「そう。だけど残念なことにカンタベリー系の頁はモノクロなんだよ。それが惜しい!」
「最後はカーネーション、直枝さん初の単行本。これ、こないだ読んだばっかりじゃない」
「でももう愛読すること決定。何度も繰り返して読むと思います」
「たましいの下着、という言葉にギョッとしたけど、これは“音楽”のことなんだね」
「ディスク・ガイドでもあり、直枝さんの音楽的自伝でもあるという本で、熱いね。そして好みがとても重なるところが多くてうれしい」
「でも直枝さん、キング・クリムゾンロキシーは家に一枚もないのが自慢って書いてるじゃん」
「・・・・・そりゃ、まあ少しは違うところもありますよ・・・・。とにかく他はかなり重なっているの!ザッパやザ・バンドビートルズ等と並んでサンディ・デニーが大きく取り上げられていたのもうれしいところだったよ。後、音楽じゃないところで喜んだところがあって」
「ほうほう。なんですかそれは」
「部屋の本棚を写した写真があってね。そこになんと石川淳「至福千年」があったんだよ。しかもハードカヴァー!」
「古本で入手したんだと思うけど、それはすごいね。しかしよく見つけたねえ」
「もうこれで直枝さんについていくと決めました(笑)。ということで次回は石川淳を取り上げようかと思います」