彼がヴォーカルを務めていたクイックシルヴァー・
メッセンジャー・サービスは一枚も持っていませんが、このアルバムは愛聴しています。ジミヘン「ヘイ・ジョー」の作者としても名を知られるディノ・ヴァレンテ、68年発表の唯一のソロ作品。ほぼ全編が12弦ギターの弾き語りという渋いアルバムですが、聴く者にずしりとした重みを残します。“
アンダーグラウンドの
ボブ・ディラン”というキャッチフレーズで売り出された彼のヴォーカルは、確かにディランを感じさせる瞬間も多いのですが、男気の裏に繊細さと哀愁がにじみでる歌世界に、私はむしろ
直枝政広(これは今「宇宙の柳、たましいの下着」を読みながら聴いているせいだと思うけど(笑)。)や
ニック・ドレイク、デニス・ウィルソンに共通するものを感じます。