久しぶりの新作はデビュー25周年のアニバーサリー・アルバム。
MOOSE HILLの伊藤ゴローをプロデューサーに迎え、
鈴木慶一、
高橋幸宏、
高木正勝など多彩なゲストが参加した、記念作にふさわしいものになっているのですが、
サウンドも本人の歌も肩の力が抜けたリラックスした佇まいとなっているのが魅力的です。全然ギラギラしたところがありません。かといって枯れてしまったわけでもなく、親密な手触りが感じられる“自然体”のお手本のような作品となっているのです。
バカラック、
ビートルズ、そして本人の「
時をかける少女」のカヴァーもウケ狙いなところがなく、さらっとやっているのがすごい。こう書いていくと「なんだ、適当に流した薄っぺらな音楽なのか?」と思われそうですが、そんなことはありません。さっぱりしているようでその奥には彼女がこれまで積み重ねてきた音楽的背景が感じられる聴き応えのある音楽になっているのです。ジャケットの写真も含めて「いい年のとりかたしてるなあ」とタメイキをつかずにはいられませんねえ。