ジョン・ケージ『ジョン・ケージ』

huraibou2007-12-01

ジョン・ケージ(紙ジャケット仕様)

ジョン・ケージ(紙ジャケット仕様)

ついにジョン・ケージまで紙ジャケ化!ストレンジ・デイズ・レコーズがイタリアのクランプス・レーベル“nova musicha”シリーズの紙ジャケ化に着手しました。
“nova musicha”シリーズの筆頭を飾るのがかねてよりキノコのジャケで有名なジョン・ケージ作品集。初期のプリペアド・ピアノを使用した楽曲から、「4分33秒」を経て70年代に至るまでの代表曲を収録。8個のラジオから同時に流れる別々の番組の音源で構成された「ラジオ・ミュージック」の手法がビートルズ「アイ・アム・ザ・ウォルラス」に取り入れられるなど、現代音楽の枠を超えて大きな影響を与えたケージの世界の入門編としてぴったりな1枚になっています。「4分33秒」はピアノの蓋を開閉する音が聞こえることで、この曲が実は3楽章から成り立っていることがちゃんとわかるようになっているのがユニーク。そして、特筆すべきは「マース・カニンガムにまつわる62のメゾスティックス」をアレアの超個性的なヴォーカリスト、デメトリオ・ストラトスがパフォーマンスしていることで、さすがアレアやアルティ・エ・メスティエリといったイタリアのプログレグループが在籍していたクランプス・レーベルからリリースされただけのことはあります。このパフォーマンスだけでも本作が未だに他のケージ作品集とは一線を画すものになっていることをはっきりと示しているといえるでしょう。ケージを評価する人も否定する人もまずは聴いておきたいアルバムです。