エヴリシング・バット・ザ・ガール『アイドルワイルド』

アイドルワイルド

アイドルワイルド

トレイシー・ソーンは最近ソロ・アルバムを出したばっかりだけど、相方のベン・ワットは何をやっているのでしょう。なんてことを思いながらこのアルバムを聴きかえしています。豪華なオーケストラ・サウンドに挑んだ前作から再びシンプルな音作りに回帰した4作目。トレイシー・ソーンの落ち着いたヴォーカルは相変わらず魅力的ですが、それ以上に私を惹きつけるのは、前作では聴くことができなかったベン・ワットの歌「ザ・ナイト・アイ・ハード・カルーゾー・シング」。少し物寂しげなベンの声がいいです。それにしてもベン・ワットにはもう一度『ノース・マリン・ドライヴ』のようなアルバムを作ってもらいたいですね。サウンドとしてはさりげなく当時流行のビートを取り入れたりしていますが、後年のドラムン・ベース導入に比べると可愛いもので、むしろ手作り感が際立つ結果に。歌詞も幼少期の思い出や身の回りのことを取り上げたものが多く、全体として2人の息づかいを最も感じる作品となっています。